Last Updated on 11月 30, 2025 by kakehasi
はじめに
近年、非常に切迫感を持ち、不妊症に悩んでいらっしゃる方が多い。不妊によるストレスや仕事のストレス、焦りもあり、加わるストレスは相当である。また2人目が授かりにくい事や、男性不妊の相談を受けることもあり、悩みも多彩となっている。病院で不妊治療を受けても望みが叶わなかった方が鍼灸院に訪れる事が多いようである。
西洋医学的立場から
『病気がみえる Vol.9 婦人科・乳腺外科』(医療情報科学研究所)によれば、
「臨床的には1年間で妊娠しなければ来院をすすめることが一般的になっている」
「男性に原因がある男性不妊、女性に原因がある女性不妊」と区別している。
また同著では、女性不妊のなかで最多としているものに卵管因子を挙げている。例えば、クラミジア感染症が主な原因となる卵管留水腫では「卵管開口術」が治療法としてあげられている。
「タイミング指導を行うことで検査後1年以内に約20%~30%が自然妊娠する」
まずは病院で何か明確な原因がないか特定するのはとても重要であると感じます。また、鍼灸を併用する場合でもタイミング法は重要になってきます。
東洋医学的立場から
『新版 東洋医学臨床論(はりきゅう編)』(南紅堂)によれば、
「不妊の東洋医学的原因について、腎虚、肝鬱気滞、痰湿、血瘀によるものが多い」
例えば、腎だが先天的に不足している方もあれば、過労や加齢により不足する方もいらっしゃる為に腎を補っていく事が必要である。肝鬱気滞であるが、これを患っている方は抑うつ傾向にある事が多い。ストレスとも関係があり、鍼灸術によりここにアプローチしていく必要がある。
当院の不妊症の方への鍼灸ケア
当院では伝統的に五臓六腑の調整を行う。教科書的な理論は頭にいれつつ実際の患者様の体の反応を最優先する。また、西洋医学的には異常なしと判断された場合でも婦人科系の反応が出ていればそちらの施術も取り入れることにしています。
鍼灸により、腎虚という言わば生命力の低下を補って行く事や、ストレスによる乱れを整える事は非常に重要である事を感じます。私の経験でも腎虚の方やストレス過多な方はとても多いです。もちろん病院での治療も、併用可能ですので、万全を期したい方も是非ご相談ください。
執筆者
寺田 りょう(鍼灸師/言語聴覚士)
名古屋市南区「かけはしはり灸院」院長。
東洋医学に基づいた伝統鍼灸と、現代的な解剖学・リハビリの視点を融合させ、心身のバランスを整える施術を行っています。