Last Updated on 11月 30, 2025 by kakehasi
はじめに(冷え性について)
冷え性という診断名は存在しませんが、鍼灸治療をしていると深刻な冷え性に悩まされている方にお会いします。足の冷えで眠れなかったり、寝つけなかったりと、睡眠を妨げるほどの方もおり、とても深刻な状態です。
西洋医学的立場からの冷え性の解説
出典:「冷え性と自律神経」新藤和雅:日本自律神経学会(2023)
医学的な診断名として「冷え性」は存在していないのが現状です。「冷え性と自律神経」(新藤和雅:日本自律神経学会 2023)によれば、健常者の女性の約52〜80%、男性では約19%に冷え性があるとされています。また、随伴症状として頻度の高いものには、肩こり、疲れやすさ、頭痛、便秘、気分の落ち込み、腰痛、めまい、ふらつきなどが挙げられています。
注意点として、動悸や息切れがある場合は心不全などの心臓疾患の可能性、体温が低下する場合は甲状腺機能低下症の可能性があります。こういった症状が随伴している場合は、かかりつけ医に相談することが大切です。
東洋医学的立場からの冷え性の解説
出典:『新版 東洋医学臨床論(はりきゅう編)』(南江堂)
『新版 東洋医学臨床論(はりきゅう編)』(南江堂)によると、冷え性には「陽虚による冷え性」と「陰盛による冷え性」があるとされています。
陽虚とは、簡単に言えば「気による温める作用が損なわれた状態」を指します。気が不足する症状を「気虚」といいますが、さらに気が不足すると「陽虚」となります。
次に「陰盛」ですが、これは体を冷やしすぎている状態を表します。冷え性の方で意外と多いのが、冷たい飲み物や食べ物を好んで摂取しているケースです。この場合、は養生法をお伝えしています。
当院の冷え性に対する鍼灸ケア
当院では、五臓六腑の調整を必ず行っています。「肝・心・脾・肺・腎」のどの臓腑の気が不足しているかを、患者様の脈や舌などを確認しながら判断します。
また、当院では温かいお灸を背中に施すことを行っています。心地よい温かさのお灸ですが、施術後には「全身が温かくなった」とのお声をよくいただきます。さらに、冷えに効果的なツボにもお灸を行うことがあります。
特に大椎(だいつい)というツボは首の付け根あたりにありますが、ドライヤーで首の付け根を火傷しない程度に温めることはセルフケアとしてもお勧めです。
ぜひ当院で、温かいお灸を通して冷え性をケアしてみませんか?
執筆者
寺田 りょう(鍼灸師/言語聴覚士)
名古屋市南区「かけはしはり灸院」院長。
東洋医学に基づいた伝統鍼灸と、現代的な解剖学・リハビリの視点を融合させ、心身のバランスを整える施術を行っています。
参考文献・出典
- 「冷え性と自律神経」新藤和雅:日本自律神経学会(2023)
- 『新版 東洋医学臨床論(はりきゅう編)』南江堂