Last Updated on 11月 30, 2025 by kakehasi
更年期障害と鍼灸について
はじめに
更年期障害でお悩みの方に臨床をしていると、非常に多くの方と出会います。中には美容鍼で来院された際に、「ついでに更年期の症状にも何かしてほしい」とご相談をいただくこともしばしばあります。
西洋医学的立場から
西洋医学では、更年期障害の原因をホルモンの変化と環境的要因の複合と考えています。
「卵巣機能低下に伴うエストロゲンの減少と、社会的・環境的・個人的要素などが複雑に絡み合い、器質的疾患がないにもかかわらず、自律神経失調を中心とした多彩な不定愁訴を主とする症候群である。」
― 『病気がみえる Vol.9 婦人科・乳腺外科』(医療情報科学研究所/メディックメディア)
薬物療法としては「ホルモン補充療法、向精神薬、漢方療法」などが挙げられています。また、不定愁訴の中には耳鳴りや手足のしびれといった症状も含まれるとされています。
東洋医学的立場から
東洋医学では、更年期障害を「腎の機能低下」と深く関係づけて考えます。
「更年期障害と『腎の機能低下』とは大きくかかわっている。『腎』の機能の盛衰はエストロゲンの分泌の推移と類似し、腎虚が進むと閉経期に近づき、いろいろな不定愁訴が発生するようになる。」
― 『東洋医学見聞録 上巻』(医道の日本社)
一般的に東洋医学では、「腎」は人間の成長や老化と密接に関係しており、更年期における様々な体調変化とも関わっていると考えられています。
当院の更年期障害の方への鍼灸ケア
当院では、腎を補う治療だけでなく、不定愁訴に対する施術も大切にしています。伝統的な五臓六腑の調整に加え、「奇経治療」と呼ばれる特殊な手法も用い、二重に手を加えています。
特にこの奇経治療には、東洋医学的に「のぼせ」のケアにとても重要とされています。
生命力を整えながら、のぼせ・抑うつなど、様々な更年期症状を一挙にケアしていきましょう。
執筆者
寺田 りょう(鍼灸師/言語聴覚士)
名古屋市南区「かけはしはり灸院」院長。
東洋医学に基づいた伝統鍼灸と、現代的な解剖学・リハビリの視点を融合させ、心身のバランスを整える施術を行っています。