Last Updated on 11月 30, 2025 by kakehasi
はじめに
手を使う仕事をしている方にとって、手のしびれは大変苦痛な症状です。特に手根管症候群になると、親指から中指に症状が出るため厄介です。
西洋医学的立場から
『病気がみえる 運動器・整形外科』(編集:医療情報科学研究所/メディックメディア)によれば、手根管症候群とは
「正中神経が手根管内での絞扼・圧迫により絞扼性神経障害をきたす正中神経低位麻痺である」とされています。
手根管と呼ばれるトンネルが狭くなり、神経を圧迫してしまうことが原因です。また、同著では好発する人に「中高年の女性、手を酷使する人、妊婦」などを挙げています。
多くの場合は原因不明ですが、原因が明確な場合もあるため、一度は病院で診察を受けることをおすすめします。
東洋医学的立場から
『新版 東洋医学概論』(医道の日本社)には、「肝血の不足により筋を滋養することができないと、転筋、しびれなどの症状が起こる」と記載されています。
つまり、五臓のうちの肝にトラブルがあり、筋の栄養障害を起こしている状態、すなわち肝血虚症です。
この肝血虚は女性に多く、学校教育でもそう教えられますし、臨床的にも粗食な女性に多い印象です。手根管症候群が女性に好発する点とも一致しています。
当院の鍼灸治療
当院では、肝が関わるケースが多いことを主眼に置き、五臓六腑のどこが弱っているのかを鑑別したうえで、
お灸や鍼で全身を整えます。また、手を酷使している方には、筋肉の病気である経筋病である可能性も考慮し、
セルフケアの指導を丁寧に行い、再発予防にも力を入れています。
執筆者
寺田 りょう(鍼灸師/言語聴覚士)
名古屋市南区「かけはしはり灸院」院長。
東洋医学に基づいた伝統鍼灸と、言語聴覚士としての西洋医学的視点を融合させ、心身のバランスを整える施術を行っています。
参考文献
- 医療情報科学研究所/メディックメディア『病気がみえる 運動器・整形外科』
- 医道の日本社『新版 東洋医学概論』