Last Updated on 9月 27, 2025 by kakehasi
顔面神経麻痺は、顔に症状が現れる疾患であり、多くの方が見た目を気にされます。審美的な問題も発生する厄介な症状です。
顔面神経麻痺の分類
「病気がみえるVol.7 脳・神経」(株式会社メディックメディア)によると、顔面神経麻痺は中枢性と末梢性に分かれます。さらに末梢性では、ベル麻痺と水痘・帯状疱疹ウイルスの再活性化によるラムゼイ・ハント症候群が比較的多いとされています。ラムゼイ・ハント症候群は比較的予後不良(治癒率60〜70%)で、後遺症が残りやすいとされています。
どの原因であれ、症状に気づいたらまず病院を受診しましょう。特に中枢性の場合は脳卒中の危険があるため、早急な医療機関受診が必要です。
中枢性顔面神経麻痺
中枢性とは、脳や脊髄に原因があるタイプのことです。私は鍼灸師とは別に言語聴覚士の資格も持っており、病院では脳卒中後遺症の中枢性顔面神経麻痺リハビリを数多く経験してきました。顔面神経麻痺が起きると、話す・食べるといった事が難しくなるため、言語聴覚士がリハビリに深く関わります。
鍼灸治療に関しては、脳卒中後遺症に準じた施術を行います。詳しくは
▶ 脳卒中後遺症に対する鍼灸治療の詳細はこちら
をご覧ください。
末梢性顔面神経麻痺の鍼灸治療
「山元式新頭鍼療法 実践ガイド YNSA症例集」(医道の日本社)では、顔面神経麻痺の症例が紹介されています。瞼が閉じられず目が充血していた状態の患者が、16回目の治療で症状がほぼ消失した例が記されており、鍼灸治療の可能性を示唆しています。また、同時に同著では顔面神経特有のツボが有効であると紹介されており、私も臨床経験通し有効性を確認してきました。
まとめ
顔面神経麻痺が現れたら病院での治療が第一です。しかし、後遺症が残りやすいケースもあります。回復を後押しするために鍼灸治療を併用してみませんか?
※末梢性顔面神経麻痺に対して、鍼通電や負荷の高いリハビリは悪化の恐れがあるため、当院では行っていません。
執筆者
寺田 りょう(鍼灸師/言語聴覚士)
名古屋市南区「かけはしはり灸院」院長
東洋医学に基づいた伝統鍼灸と、現代的なリハビリの視点を融合させ、心身のバランスを整える施術を行っています。
参考文献・出典
- 「病気がみえる Vol.7 脳・神経」(株式会社メディックメディア)
- 「山元式新頭鍼療法 実践ガイド YNSA症例集」(医道の日本社)