Last Updated on 9月 27, 2025 by kakehasi
はじめに
ストレス社会の影響なのか、不眠や倦怠感を抱え、自律神経の調子がおかしいのではないかと、当院に来院される方も少なくありません。
そのなかには、共働きで子育てと仕事の負担を抱え、疲労困憊となっている方も多くいらっしゃいます。
そもそも自律神経とは?
『病気がみえる Vol.7 脳・神経』(メディックメディア)では、自律神経を「循環、呼吸、消化、分泌、排泄、体温調整など、基本的な生命活動(自立機能)の維持に働いている神経系」と定義しています。
まさに生命活動に必要不可欠で、全身のさまざまな働きを担っています。
自律神経失調症とは?
厚生労働省「こころの耳」によると、自律神経失調症とは「明らかな身体の病気がないにも関わらず、自律神経のバランスが崩れていると感じることによる不調を指します。全身倦怠感、めまい、頭痛、動悸などがあります。」と説明されています。
医学的な明確な診断基準や定義は学会により異なり、統一のものを見つけることは難しいのが現状ですが、行政はこのように認識しているようです。
東洋医学的見解
『新版 東洋医学臨床論(はりきゅう編)』(南江堂)では、肝系統の疾患として「眼精疲労、気分障害、めまい」、心系統の症状として「動悸、息切れ、血圧異常、睡眠障害」を挙げ、治療法が紹介されています。
東洋医学では、肝・心・脾・肺・腎といった五臓六腑のバランスを整えることが重要とされます。これにより自律神経失調症の症状が改善されることが期待されます。
当院の鍼灸治療
当院では自律神経失調症に対して、伝統的な鍼灸術により五臓六腑の調整を行い改善を目指します。
五臓六腑の調整だけでは不十分な場合、頭鍼を追加することもあります。
私の臨床経験では、一回の治療で「頭がスッキリした」「視界が明るくなった」「気分の落ち込みが改善した」と、その場で効果を実感される方が多数いらっしゃいます。病院を受診した上で、なかなか改善が見込めない方は鍼灸治療の併用をおすすめいたします。
参考文献
- 病気がみえる Vol.7 脳・神経(メディックメディア)
- 厚生労働省「こころの耳」
- 新版 東洋医学臨床論(はりきゅう編)(南江堂)