Last Updated on 11月 30, 2025 by kakehasi
西洋医学的立場からの注意点
出典:日本うつ病学会治療ガイドラインⅡ.うつ病(DSM-5)/ 大うつ病性障害 2016
「早期に抗うつ薬を中止・減量することは再燃の危険性を高める。とりわけ、寛解後26週は抗うつ薬の再燃予防効果が立証されており(Reimherr et al, 1998)、欧米のガイドラインは、副作用の問題がなければ初発例の寛解後4~9ヵ月、またはそれ以上の期間、急性期と同用量で維持すべきとしている」
まれに薬物治療を完全に否定する方もいらっしゃいますが、命に関わることもあるため慎重な判断が求められます。当院では薬物治療の中止や減薬については必ず主治医の判断を仰ぐことを強く推奨しています。
東洋医学的立場から
出典:『新版 東洋医学臨床論(はりきゅう編)』(南江堂)
「肝の疏泄機能が失調し、情志の調節が上手くできなくなり肝の条達がわるくなると、抑鬱、情緒不安、ため息をよくつくといった気分障害が出現する」
東洋医学では五臓六腑の調整を主目的としますが、特に肝の関わりが大きいと考えられます。さらに心や脾が関わる可能性も示されています。
当院のうつ病に対する鍼灸ケア
当院ではまず伝統的鍼灸術による五臓六腑の調整を行います。肝だけでなく腎やそれ以外が関わる可能性も考慮し、問診や体の状態を観察し、オーダーメイドで施術を決定します。
私は東洋はり医学会に所属しており、そこで口伝されている鍼灸術も大切にしています。例えば、頭頂部のツボ「百会」へのお灸をすると、大きな変化がみられることがあります。このお灸では一瞬「チクッ」とした熱感を感じることがありますが、多くの方が「不快ではない」と感想を述べられます。
ただし、お灸はまれに軽度の火傷や赤みが残ること、毛髪が数本燃えてしまう可能性があるため、必ず患者様の同意を得て、ご希望の方にのみ施術しています。また、頭鍼を併用することもあります。
出典:『山本式新頭鍼療法実践ガイド YNSA症例集』(医道の日本社)
「うつ病、パニック障害、自律神経失調症」で改善がみられた症例が紹介されています。
伝統的な鍼灸術だけではなく、あらゆる技術を駆使し心身のバランスを整えていきます。病院の受診も大切ですが、ぜひ鍼灸の併用をおすすめします。あなた本来のバランスを取り戻すお手伝いを、心を込めてさせていただきます。
執筆者
寺田 りょう(鍼灸師/言語聴覚士)
名古屋市南区「かけはしはり灸院」院長。
東洋医学に基づいた伝統鍼灸と、現代的な視点を融合させ、心身のバランスを整える施術を行っています。
参考文献
- 日本うつ病学会治療ガイドラインⅡ.うつ病(DSM-5)/ 大うつ病性障害 2016
- 『新版 東洋医学臨床論(はりきゅう編)』 南江堂
- 『山本式新頭鍼療法実践ガイド YNSA症例集』 医道の日本社