Last Updated on 12月 13, 2025 by kakehasi
はじめに(花粉症)
鍼灸院に来られる方で花粉症に悩まれている方は非常に多い。花粉症シーズンになれば、花粉症に効くツボがあればやって欲しいと頻繁に頼まれる。
また、花粉症シーズンが来たらまた来るねと仰って、来年の約束をされていく方もいるくらいである。
西洋医学的立場からの花粉症の解説と注意点
出典:
「ガイドラインのワンポイント解説 鼻アレルギー診療ガイドライン 2024年版
鼻炎の分類と重症アレルギー性鼻炎の治療」
山田武千代
同書によれば「国民病と言われるスギ花粉症を代表とする本邦の花粉症は有病率が4割を超え、重症以上の症例が増加している。」としている。
また、鼻炎の分類を感染性、アレルギー性、非アレルギー性としており、花粉症はアレルギー性に分類される。
しかし注意点として、「保存的治療に抵抗性を示す場合、手術適応や手術方法の判断のみならず、悪性腫瘍や良性腫瘍の存在、鼻出血の原因、
急性・慢性の副鼻腔炎の合併、睡眠時無呼吸の原因、アデノイド増殖の存在を確認する必要がある。」としている。
つまり、単なる花粉症だと思っていたら、腫瘍が原因である場合もあるのだ。
『病気がみえる vol.7 脳・神経』(メディックメディア)によれば、嗅覚を支配しているのは嗅神経と呼ばれる神経で、この神経は脳に繋がっている。
脳腫瘍により嗅神経に異常をきたし、匂いがしないといったことも考えられる。
こういった点も頭に入れ、必要があればかかりつけ医に相談することが大切である。
東洋医学的立場からの花粉症の解説
出典:
『東洋医学見聞録 上巻』
西田皓一(医道の日本社)
同書によれば、花粉症に関わる臓腑として「肺・脾・腎・三焦」が挙げられている。
西洋医学と違い、東洋医学では肺は鼻とも深く関わっている。
また、脾や腎は肺との関係が深く、腎が肺の母、脾が肺の子であるとする陰陽五行思想がある。
三焦は東洋医学独特の概念であるが、各臓器の働きをスムーズに調整する役割を担っている。
すなわち、鍼灸を実施する際には、肺・脾・腎・三焦に異常がないかをよく観察する必要がある。
当院の花粉症に対する鍼灸ケア
当院では必ず五臓六腑の調整を行い、生命力の強化を図る。
私の経験では、東洋医学的に脾にトラブルを抱えている方が非常に多い。
また、当院では五臓六腑の調整に加え、胃や大腸のツボに鍼灸施術を加えることが多い。
意外に思われるかもしれないが、胃の経絡は鼻や目と繋がっており、
東洋医学的には花粉症と関係が深いといえる。
セルフケアとしては、脾は甘い物、冷たい飲食物、脂っこい物に弱いとされている。
これらの摂取を控えることも、東洋医学的なセルフケアの一つであろう。
毎年、花粉症の季節が辛い方は、ぜひ当院の伝統的な鍼灸によるケアを受けてみませんか。
執筆者
寺田 りょう(鍼灸師/言語聴覚士)
名古屋市南区「かけはしはり灸院」院長。
東洋医学に基づいた伝統鍼灸と、現代的な解剖学・リハビリの視点を融合させ、
心身のバランスを整える施術を行っています。