Last Updated on 2月 25, 2026 by kakehasi
はじめに(喘息・呼吸器疾患について)
医療の発達とともに、喘息による死亡率は減少していますが、
現在でも亡くなる方がいるほか、重症化して入院を余儀なくされる方もいるのが現状です。
入院に至らなくとも、仕事や日常生活に支障をきたすため、
依然として苦しんでいる方は一定数存在しています。
私自身、言語聴覚士として呼吸器疾患のリハビリテーションを実施してきた経験があり、
誤嚥性肺炎や呼吸器疾患へのリハビリの知見は、
鍼灸師としての臨床にも非常に役立っています。
西洋医学的立場から(気管支喘息を中心に)
呼吸器疾患の一つである気管支喘息の定義は、
出典:医療情報科学研究所『病気がみえる Vol.4 呼吸器』
「慢性の気道炎症を本態として気道過敏症が亢進しており、
変動性を持った気道狭窄や咳嗽などの臨床症状で特徴づけられる疾患である」
ごく簡単に言えば、気管が炎症によって過敏になり、
咳が出やすい状態といえます。
タバコの煙が引き金となり、発作を起こす方もいらっしゃいます。
さらに同著では、気管支喘息における患者教育の重要性についても述べられており、
服薬指導や疾患に関する知識の提供が重要であるとしています。
これは当然のことかもしれませんが、稀に病院から処方された薬を
完全に否定される方がいらっしゃいます。
しかし、特に呼吸器疾患の発作時には、服薬は非常に重要です。
鍼灸を利用する場合においても、病院受診や服薬を自己判断で中止せず、
必ず医師の指示のもとで継続することが不可欠であるのは言うまでもありません。
東洋医学的立場からみた呼吸について
東洋医学においても、肺が呼吸を担っていると考えられています。
しかし、南江堂『新版 東洋医学臨床論(はりきゅう編)』によると、
「呼吸は腎の納気機能による補助を受けている」とされています。
この納気機能が低下すると、深く呼吸することができなくなります。
また、同著では、脾の機能が低下すると肺に病理産物が貯まるとも述べられています。
つまり、呼吸には五臓(肝・心・脾・肺・腎)のうち、
特に肺・脾・腎の正常な働きが不可欠であると考えられます。
当院の喘息・呼吸器疾患に対する鍼灸ケア
当院では、伝統的鍼灸術により五臓六腑の調整を行っています。
患者様の反応を拝見していると、
喘息を含む呼吸器症状をお持ちの方は、
肺・脾・腎の不調を抱えているケースが多く、
これらを重点的に調整しています。
特に腎の働きが低下している場合、
深く呼吸ができないと訴えられる方が多い印象があります。
病院での治療は非常に重要ですが、
不調が長引く場合には、
当院の伝統的鍼灸術を併用してみてはいかがでしょうか。
執筆者
寺田 りょう(鍼灸師/言語聴覚士)
名古屋市南区「かけはしはり灸院」院長。
総合病院(回復期リハビリ病棟)、訪問看護、老人ホームでの実務経験を持つ言語聴覚士・鍼灸師。病院での全身リハビリの知見と、東洋医学を融合させた独自の施術体系を構築。
【所属】公益社団法人 愛知県鍼灸マッサージ師会、一般社団法人 東洋はり医学会。
病院では「原因不明」と言われた不調に対し、医療・介護・伝統鍼灸の多角的な視点からアプローチしている。