Last Updated on 2月 25, 2026 by kakehasi
喉の違和感・異物感(梅核気)と鍼灸ケアについて
はじめに
病院で飲み込みのリハビリを行っていた時、喉の違和感や異物感を訴える方にしばしばお会いしました。多くのケースで原因が特定できず、原因不明とされることがほとんどでした。現在、鍼灸師としても、原因不明の喉の異物感に悩まれる方への鍼灸ケアを行う機会がしばしばあります。
西洋医学的立場から
咽喉頭異常感の主な原因として「咽喉頭逆流症、喉頭浮腫、慢性喉頭炎、喉頭蓋嚢胞、喉頭肉芽腫症、喉頭癌」などが挙げられる。
「様々な疾患が原因となるが、明らかな原因疾患が特定できないものがある。」
― 『病気がみえる Vol.13 耳鼻咽喉科』(医療情報科学研究所/メディックメディア)
このように、喉の違和感や異物感といっても、重大な疾患が隠れている場合があります。まずは耳鼻咽喉科などの医療機関でしっかりと診断を受けることが非常に大切です。
東洋医学的立場から
「梅の種が詰まっているかのような異物感があるが、吐こうとしても吐き出せず、飲み込もうとしても飲み込めないものを梅核気と呼ぶ。」
― 『新版 東洋医学概論』(医道の日本社)
このように、東洋医学では古くから咽頭の異物感を「梅核気(ばいかくき)」と呼び、気の巡りが滞る「気滞(きたい)」が原因で起こると考えられています。つまり、気の流れを良くすることが整える鍵となります。
当院の鍼灸治療
当院では、全身の五臓六腑を調整し、まず「気の流れ」を整えることを最優先に行っています。私の臨床経験では、肺が弱く、肝が過剰に働いている「肺虚肝実(はいきょかんじつ)」の状態になっている方が多く見られます。このタイプは、日常的なストレスが関係していることが多い印象です。
現代では、ストレスを上手に発散する術を持たない方が増えているように思います。日々のストレスケアとして鍼灸を取り入れることも、心身の健康維持にとてもおすすめです。
執筆者
寺田 りょう(鍼灸師/言語聴覚士)
名古屋市南区「かけはしはり灸院」院長。
総合病院(回復期リハビリ病棟)、訪問看護、老人ホームでの実務経験を持つ言語聴覚士・鍼灸師。病院での全身リハビリの知見と、東洋医学を融合させた独自の施術体系を構築。
【所属】公益社団法人 愛知県鍼灸マッサージ師会、一般社団法人 東洋はり医学会。
病院では「原因不明」と言われた不調に対し、医療・介護・伝統鍼灸の多角的な視点からアプローチしている。