Last Updated on 9月 27, 2025 by kakehasi
構音障害とは?
構音障害とは、極簡単に言えば「うまくしゃべれない」という状態です。
「病気がみえるVol7 脳・神経(株式会社メディックメディア発行)」によれば、
「意図した通りに音を出して話すことができず、発音・抑揚・スピードなどが障害されること」とされています。
さらに、
「未成年者における言語療法に関する実態調査(小児口腔外科2006年)」によれば、
「器質性構音障害・機能性構音障害・運動障害性構音障害に大別される」とされています。
※吃音症もありますが、これは別の分類になります。
よく相談を受けるケース(小児)
構音障害のリハビリを担当するのは、私も所持している国家資格言語聴覚士です。
よくあるご相談は「子供のしゃべり方がおかしい」というものです。
例えば「おさかな」が「おたかな」になるなど、発音が幼いだけなら多くは6~7歳で自然に治ります。
しかし注意すべきは異常な発音(例:側音化構音)です。大人になっても「き」が上手く発音できないなど、障害として残ることがあります。このような場合も存在するので保育園で指摘された場合や、発音が幼いだけで留まらない異常を感じた場合は専門的にみてくれる病院を受診し、言語聴覚士のリハビリを受けるべきです。舌等に何らかのトラブルを抱えているケースもあるので耳鼻科医の専門的な診察を受けるのも必須です。
「小児の構音障害 今井智子 音声言語医学2010」によると、
「発達途上に見られる誤りは音韻発達に伴い6~7歳までに自然治癒する。しかし、5~6歳になっても誤りが残存し、本人に自覚が生じ、集団で不適応を起こしている場合は言語聴覚士が介入し、就学までに音韻発達を完成させる」とあります。
つまり、異常ではなく幼いだけの発音は自然に治癒しますが、5~6歳で残存+本人が気にしている・集団で困っている場合も専門病院で診察を受け、口の中や聴覚、発達障害の問題ないか診察してもらい言語聴覚士からリハビリを受けると良いでしょう。6〜7歳で自然治癒しない場合も同様でしょう。
脳卒中後遺症としての構音障害
次に多いのが脳卒中後の構音障害です。これは鍼灸治療の適応となり得ます。
脳卒中後遺症により舌にも麻痺が残り、しゃべりづらくなる方がいます。この場合、脳卒中後遺症の鍼灸+頭鍼が有効なことがあります。
頭鍼の流派の中には舌下神経のツボを使うものがあり、舌の運動を司る舌下神経に働きかけます。
実際に、当院の患者様がGoogle口コミにも書いてくださったように、このツボに鍼を行い大きく改善したケースがあります。
さらに、舌が動かしやすくなることで嚥下障害(飲み込みにくさ)も改善される場合があります。
脳卒中後の構音障害は早期治療が効果的なため、できるだけ早めの施術をおすすめします。
当院の特徴
当院では、構音障害の専門家である言語聴覚士と鍼灸師のダブルライセンスを持つ院長が直接施術を行います。脳卒中後遺症まで幅広く対応可能です。
執筆者
寺田 りょう(鍼灸師/言語聴覚士)
名古屋市南区「かけはしはり灸院」院長。
東洋医学に基づく鍼灸と、言語リハビリの専門知識を融合させた施術を行っています。